結束バンドは電気設備工事でケーブルの配線の結束に用いられてます。
電気工事は、一般的には技術基準で、公共工事であれば標準仕様書や施工監理指針などで詳細が定められています。結束する対象としては電線ではなくてケーブルであり、束ねる本数に関しても流れる電流から上限が定まっていて、結束バンドの長さが足りるからといってむやみに多数を束ねることは、発熱による火災の発生に繋がるため注意が必要です。同様な束ねる方法としてはテープでの結束が考えられますが、できるだけ実施は避けることが賢明です。
ケーブルを束ねて配線することが認められているのは、天井や壁などの隠蔽部やケーブルラック上であり、夏期の気温上昇によってケーブル周辺の温度も上昇することが考えられます。テープは粘着部によって結束部が締まっていますが、温度上昇で粘着の糊が化学変化を起こして剥がれることがあり、ケーブルが固定されなくなります。固定されずに動いてしまったケーブルは脱落を起こして、接続部のゆるみなどを引き起こし、器具の点灯不良や絶縁不良になってしまいます。
技術基準ではテープ巻きは認められていないわけではありませんが、竣工後の安定的な設備運用の観点からはできれば避けるべきであり、樹脂製や金属製のバンドで束ねることが推奨されます。公共工事の標準仕様書などで記述のあるケーブルの確実な固定は、こうした理由によるものです。電気設備工事は単独で行われているわけではなく、建築工事や給排水衛生設備工事や空調設備工事などと関連しながら同時進行で行われています。テープ巻きでのケーブルの結束は作業時間の短縮にはなりますが、完成後の長期間にわたる安定した運用の点からは結束バンドによる施工をすることが必要と考えるべきです。